いよいよ早いところでは梅の花がほころび始めましたね。
1月18日(日)、田辺市で、 “「みなべ・田辺の梅システム」の世界農業遺産認定を目指して”と題したシンポジウムを開催しました。
約350人の方にお越しいただき、下記の内容の講演と発表に耳を傾けました。
【講演】
「みなべ・田辺地域の世界的価値について」
仁坂 吉伸氏(和歌山県知事)
「日本における世界農業遺産の意義」
武内 和彦氏
(国際連合大学上級副学長・農林水産省 世界農業遺産(GIAHS)専門家会議委員長)
「みなべ・田辺の魅力と世界農業遺産の活用や推進について」
大和田 順子氏
((社) ロハス・ビジネス・アライアンス共同代表・
農林水産省 世界農業遺産(GIAHS)専門家会議委員)
皆さんは「世界農業遺産(GIAHS)」とはどういったものか ご存知ですか?
Q&A
■世界農業遺産とは?
世界農業遺産(GIAHS)とは、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり発達し、形づくられてきた農業上の土地利用、伝統的な農業とそれに関わって育まれた文化、景観、生物多様性に富んだ、世界的に重要な地域を次世代へ継承することを目的に、国連食糧農業機関(FAO)が2002年(平成14年)から開始したプログラムです。
■「みなべ・田辺の梅システム」とは?
養分に乏しい礫質の斜面を活用して薪炭林を残しつつ梅林を配置し、高品質な梅を持続的に生産してきた農業システムです。
人々は、里山の斜面を梅林として利用し、その周辺に薪炭林を残すことで水源涵養や崩落防止等の機能をもたせ、薪炭林に住むニホンミツバチと梅との共生、長い梅栽培の歴史の中で培われた遺伝子資源など、地域の資源を有効に活用して、梅を中心とした農業を行い、生活を支えてきました。
■ユネスコ世界遺産(文化遺産)との違いは?
ユネスコ世界遺産(文化遺産)は、遺跡や歴史的建造物などの「不動産」を登録、保護するのに対し、世界農業遺産は、次世代に継承すべき伝統的な農業の「システム」を認定しその保全と持続的な利用を図るものです。
■農法などに制限がくわえられるの?
世界農業遺産には農法などの制限はありませんが、生物多様性を著しく減少させないことが重要です。環境保全型農業は世界の大きな流れで、消費者のニーズもあり、農産物には、世界農業遺産による大きな付加価値が期待されます。
「みなべ・田辺の梅システム」の世界農業遺産認定への取組の詳細については、「みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会」事務局(みなべ町)のHP をご覧ください。