お待たせしました。
南高梅の紹介をします。
明治35年、上南部村(→南部川村→みなべ町)の高田貞楠氏が、梅の苗を購入し畑に植えた中に、粒が大きく、美しい紅のついた優良種が一本あることに着眼し、その木を母樹として育成、増植を行いました(高田梅)。
昭和6年に小山貞一氏が高田氏より「高田梅」の穂木60本を譲り受け、「高田梅」を継承しました。
昭和25年、梅の優良品種を統一して、市場の安定を図るため、この地に適した梅を見つけようと、「梅優良母樹調査選定委員会」が設立され、「優良種」とされる37品種を対象に、5年間にわたる詳細な調査を行いました。委員長は南部高校園芸科教諭の竹中勝太郎氏で、南部高校の生徒もこの選定に協力しました。最終的に残ったのが「高田梅」で、最も風土に適した最優良品種との評価を受けました。
竹中氏は、「南部高校」と「高田」から名をとり、「南高梅(なんこううめ)」と命名しました。
昭和38年、選定委員会で最優秀に選ばれた梅「南高」は申請者・高田貞楠の名前で種苗名称登録を出願し、昭和40年10月29日、農林大臣により認可されました。
※南部高校は阪神の浜中選手の母校(出身は田辺市)。
品種特性
樹勢は強いが開張性で枝の発生が多い。中果枝でも結実がよく、葉は大きくて先端が曲がらない。開花は早く、花粉は多いが自家結実性が低く、交配樹が必要。豊産性で、果実は、短楕円形で果頂部が丸く毛茸が多い。陽光面は朱色に着色しやすい。梅酒、梅ジュース、梅干し用に適する。
6月5日
青梅到着
梅ジュース用の梅が届きました。水洗いして冷凍しておきます。これくらい青いと追熟しても黄色くならず、しぼむだけです。
こちらは紅南高梅。
紅南高梅は品種名ではありません。紅がさしている部分が果面の1/3以上のものを紅南高梅と呼んでます。
紅のなかに線上に緑が残っている部分は木の枝により日光が遮られた部分。
6月8日
秋津川の梅
海岸に近い産地ではすでに収穫のピークを迎えつつありますが、田辺市のなかでも遅場産地の秋津川では、まだ未成熟。
6月26日
秋津川の梅
たわわに実っているでしょう。
この豊産性も南高梅の特徴。
どうです?
いい感じに熟してきているでしょう?
こちらも同じ園地の梅ですが、まだ青く、紅も差していません。
ところで、南高梅は陽光面が赤くなるのですが、日に当たらない位置にある梅は紅が差しません。
また、年によっては日照時間不足で紅の差し具合が弱い場合もあります。紅が差してない南高梅もありますが、品質には変わりありません。
今年も豊作。。。
完熟南高梅
これは秋津川のJA紀南試験園で落下したものを拾い集めたもの。梅干しに最適です。